政策コスト分析

政策コスト分析

◆政策コスト分析導入の経緯
政策コスト分析については、将来の国民負担に関するディスクロージャーや財政の健全性を確保する観点から、平成9年11月の「資金運用審議会懇談会とりまとめ」において、その導入について提言されました。その後、平成10年2月のコスト分析・評価検討会(資金運用審議会懇談会座長が主催するアドバイザリー・グループ)などにおいて、具体的分析手法などの検討が行われ、平成11年度には5機関、平成12年度には14機関について試算という形で公表財政投融資改革時の平成13年度から同分析が本格的に導入されたところです。

◆政策コスト分析の内容
政策コスト分析とは、財政投融資を活用する事業について、一定の前提条件を設定して将来キャッシュフロー(資金収支)などを推計し、これに基づいて、事業の実施に関して①将来、国から支出されると見込まれる補助金など、②将来、国に納付されると見込まれる国庫納付・法人税など、及び③既に投入された出資金・無利子貸付などによる利払軽減効果(国にとっての機会費用)の額を、各財投機関が試算したものです。なお、算出された政策コストは、財政投融資対象事業の実施によって生じる将来の資金移転を伴う財政負担を示すものではありません(将来の資金移転を伴う財政負担は①のみ)。

◆政策コスト分析の目的
財政投融資対象事業は、外部経済効果が一部存在するものの、受益と負担の関係が明確であり、受益者(利用者)にその負担を求めることが適当なことから、基本的に受益者負担によって有償資金の償還が行われています。その受益者負担を軽減するため、国(一般会計など)から事業を実施する財投機関に対して、補助金や出資金などが投入される場合があります。このような事業の妥当性を判断する材料として、将来、その事業に対する補助金などの支出がどの程度見込まれるか、あるいは既に投入された出資金などによるメリットがどの程度になるかを試算し、これを「政策コスト」として開示することには、財政投融資の透明性を高める意義があります。

◆政策コスト分析の評価
政策コストは、財政投融資対象事業の受益者負担を軽減するために用いられるものですから、その額の大小をもって単純に評価することは適当ではなく、あくまでもその事業の実施に伴う社会・経済的便益と併せて総合的に評価されるべきです。

◆政策コスト分析の活用
政策コスト分析を行う過程で、事業について将来キャッシュフロー(資金収支)などの推計が行われますが、これらは、事業の将来見通しやその財務への影響、財政投融資の償還確実性の有無などを判断する上で活用される重要な材料となっています。さらに各財投機関においては、財投機関債を発行する際の債券内容説明書(金融商品取引法上の目論見書に準じて投資家向けに作成される書類)に政策コスト分析を記載するなど、ディスクロージャーにも活用されています。今後とも、着実に政策コスト分析を実施し、公表内容の充実を図るとともに、より一層の活用に努めていくこととしています。

出所:財政投融資リポート(財務省)

政策コスト分析

財政投融資を活用している事業について、一定の前提条件を設定し、これに基づいて、財投対象事業を実施するために将来必要と見込まれる補助金等と既に投入された出資金等の機会費用を、各財投機関が試算したものです。

また、政策コストは、政策上の観点から受益者の金利や料金の負担を軽減するなど、財政政策として財投対象事業への支援の度合いを強めるためのものであり、財投機関の財務の健全性に問題があることを示すものではありません。

出所:財政投融資の基礎知識(財務省)