国税不服審判所の審理及び裁決

審査請求事件の調査・審理に当たっては、審査請求人の正当な権利利益の救済を図るため、審査請求人の審理手続上の諸権利を十分尊重するとともに、審査請求人と原処分庁の主張の相違点(「争点」という。)を主たる審理事項とする争点主義的運営を行っている。
また、審査請求書が提出された後、事件の調査及び審理を行わせるため、担当審判官(1名)及び参加審判官(2名以上)で構成される合議体が編成され、審査請求人及び原処分庁の主張等を的確に把握し、当事者の主張を十分聴取するなど、充実した合議の下、適正・迅速に調査・審理を進めている。
国税不服審判所長は、この合議体の議決に基づいて、審査請求に理由がない場合は、これを棄却し、理由がある場合は、その請求の全部若しくは一部を認容し、又は変更する裁決を行う。ただし、審査請求人の不利益になるように処分を変更することはできない。審査請求が法定の期間経過後にされたとき、その他不適法である場合は、これを却下する裁決を行う。また、国税不服審判所長の裁決は、行政部内における最終判断であり、原処分庁は、仮にこれに不服があっても訴訟を提起することはできない。
なお、国税不服審判所長は、国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決をすることや、法令の解釈の重要な先例となるような裁決をすることができる。ただし、同一の法令について、税務の執行機関と審査請求の裁決機関が異なった解釈をすることは、税務行政の統一ある運用が阻害されることとなりかねないため、国税不服審判所長は、このような裁決を行う場合は、あらかじめその意見を国税庁長官に通知することとされている。
国税庁長官は、国税不服審判所長から意見の通知があった場合は、国税不服審判所長の意見が審査請求人の主張を認容するものであり、かつ、国税庁長官がその意見を相当と認めるときを除いて、国税不服審判所長と共同して当該意見について国税審議会に諮問し、この場合は、国税不服審判所長は、国税審議会の議決に基づいて裁決をしなければならないこととされている。

出典:国税庁(事務年報)