申告納税制度

申告納税制度は、納税者自身が行う申告により第一次的に税額が確定するという効果を認める制度であり、それが適正に機能するためには、納税者の自発的な納税意欲と、納税者が継続的かつ正しい記帳を行い、客観的な係数に基づいて所得を計算するということが基本的な前提となっているといえる。
この制度は、昭和22年(1947年)に、アメリカ税制の強い影響の下に採用されたもので、それまでは、税務官庁の行政処分によって納付すべき税額が決定される賦課課税制度を採っていた。この新しい制度を日本に定着させるには、特に個人所得税の分野においてかなり困難があったが、申告納税制度が導入されてから半世紀を経た現在ではかなりの定着をしているといえる。その背景には、1 申告納税制度の基盤を築くために、昭和25年(1950年)に青色申告制度が創設されたこと、2 昭和59年(1984年)には申告納税制度の一層の定着を図るため、白色申告者に対する記録保存制度、記帳制度、収支内訳書添付制度が設けられたこと、3これら制度の定着を図るため、税理士会、青色申告会等関係民間団体等の協力を得ながら、記帳方法等の指導を必要とする納税者に対して適切な指導に努めてきたこと、さらに、申告漏れが多額であると認められる者等を対象として徹底した税務調査を行ってきたことなど、制度・執行両面からこの制度の定着に努めてきたことがあるといえる。

出典:国税庁(事務年報)