新移民法(フランス)

2006年7月に公布された移民法は、移民政策の変更と移民の社会統合に関する新たな法律で、2003年移民法に引き続きサルコジ内相の意向を汲み、不法移民対策の一層の強化が図られ、国外退去義務も新設された。「押し付けられた移民」から「選択された移民」へと政策を転換する考えのもと、優れた能力を持つ外国人や就労目的の移民をフランスの必要と収容力に応じて積極的に受け入れようともしている。新たに滞在証を受ける外国人に対しては、フランス語の修得とフランス共和国の原則の遵守を求めた「受入れ・統合契約」の締結を義務とし、社会統合を推進した。具体的内容は次の通りである。 (1)不法滞在であっても10年以上フランスに常住した者は滞在証の交付を受けられるとした規定の廃止 (2)フランスに正規滞在している外国人が本国の家族を呼び寄せる条件の厳格化 (3)フランス国籍者と結婚や養子縁組した者への滞在証の交付条件の厳格化 (4)能力や才能を有する者のための滞在証の新設。対象は科学者や知識人、企業家、芸術家、スポーツ選手、幹部職員などが想定される。有効期限は3年で更新も可能だが、交付の際に遅くとも6年後には本国に帰ることを約束する必要がある。 (5)決められた職種への就労を目的とした滞在証交付の容易化(6)外国人学生受入条件の緩和し、同時に外国人学生に副次的な就労の権利を認めた。また研修生のための滞在証を設けた。 (7)新たに滞在証を受ける外国人に対し、個別に「受入・統合契約」を締結することを義務付けた。 (8)居住者証の交付条件の厳格化 (9)フランス国籍取得条件の厳格化 (10)滞在証の交付拒否通知後1ヶ月以内の国外退去義務を設けた。それまでは滞在証交付拒否後1ヶ月が過ぎても国外退去しない場合、国外退去命令が出された。 (11)国外退去除外規定の見直し。15年以上フランスに常住している外国人が免除されなくなった。またフランス国籍者と結婚している者やフランス国籍を持つ子の養育に携わった親について、最低期間が引き上げられた。

出典:内閣府経済社会総合研究所