犯罪者引渡し条約

日本で法令に触れる犯罪をした犯罪人が別の国に逃亡した場合、相手国までは日本の警察権や司法権が及ばないため、相手国の政府に犯罪人の逮捕と引渡しを求めることになる。反対に、他国で犯罪をした犯罪人が日本に逃亡してきた場合、日本の政府が犯罪人の逮捕と引渡しを求められる。そのような状況に対応するため、あらかじめ他国との間で条約を結び、国外逃亡犯の引渡しについて定めたのが犯罪者引渡し条約である。犯罪者引渡し条約を締結すると、相手国の求めに応じて犯罪人の引渡しを義務付けられる。但し、政治犯罪の場合や、犯罪人が日本国籍の場合は例外とされる。
相手国から犯罪人の引渡しを求める請求があると、外務省から東京口頭検察庁を経て、東京高等裁判所に関係書類が送付される。犯罪人の引渡しが妥当と判断されると、当該犯罪人の身柄が請求国の捜査機関に送られることとなる。現在日本は、アメリカ、韓国の2ヶ国と条約を締結している。
◆アメリカ
「日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約(日米犯罪人引渡条約)」
Treaty on Extradition between Japan and the United States of America
1978 年署名、国会承認。1980 年批准書交換、公布、効力発生。
◆韓国
「犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約(日韓犯罪人引渡条約)」
2002 年署名、国会承認。2002 年批准書交換、公布、効力発生。
◆代理処罰制度
他国から逃亡してきた犯罪人の身柄を相手国に引き渡さない場合に、自国の刑法によってこれを処罰することができる制度である。相手国がこのような制度を有している場合、日本から被疑事件に関する捜査によって得られた証拠等の情報を提供することを通して、相手国に犯罪人の逮捕、裁判、処罰を任せることが可能になるといえる。

出典:内閣府経済社会総合研究所