並行社会(ドイツ)

民族的・宗教的背景を同じくする少数派の作り上げたコミュニティで、社会的、文化的、空間的に多数派と分かれ、多数派と接点の少ない状態のもの。2004 年11 月のオランダでの映画監督テオ・ヴァン・ゴッホ暗殺事件をきっかけに、ドイツでもイスラム系移民に関する議論が生じたなかでこの言葉がよく用いられ、2004 年の流行語の一つに選ばれた。ドイツについてはトルコ系などのイスラム系移民社会が言葉の面を含め通常のドイツ社会に溶け込まず、独自の生活を送っている様子が話題となった。そこにはドイツ社会になじまない移民社会に対する懸念があるものの、移民が自己線引きや他者による差別によって孤立が深まり、コミュニティ内にとどまるようになることもあるされ、それを防ぐ対策が不十分であることも指摘された。移民がある程度まとまることはストレスを減らすなどのプラス点もあるとした上で、教育、政治、スポーツなどを通じて多数派との接点を広げる方策が必要とされる。

出典:内閣府経済社会総合研究所