ボッシ・フィーニ法(イタリア)

Bossi-Fini。2002年に改正された移民法がボッシ・フィーニ法と呼ばれる。イタリアは過去に移民送出国か経由国の特徴が強かったが、1970年代に英仏独による移民規制強化を背景に、イタリアを最終目的地とする移民が急増した。政府による包括的な移民管理の必要性が高まり、1986年に初めて移民法が制定されて以来、数回の改正がなされたが、ボッシ・フィーニ法では滞在許可に関する規則が特に厳格化された。具体的には以下のような点である。
(1)労働目的の滞在許可を得る場合は、入国前の雇用者による滞在契約書が必須条件となったため、職を持たずに入国することができなくなった。また、失業した場合の求職期間が従来の1年以内から6ヶ月以内に短縮された。この期間内に次の職が見つからない場合は帰国を余儀なくされる。
(2)従来犯罪者以外に求めることのなかった指紋採取を、滞在許可証交付の際の義務とした。
(3)家族呼び寄せの制限。18歳以上は、親がイタリアで働いていても独自に職を得ない限り滞在が許可されない。
(4)不法就労に対する罰則強化。滞在許可を持たない外国人を雇用した場合、雇用者は3ヶ月から1年の懲役刑に加え、5,000ユーロ以下の罰金が科せられる。
(5)不法滞在者収容施設(CPC)の設置
他方、非正規滞在者を追認し「正規化」する措置が、従来の移民法改正時と比べても最大規模の64 万人に対して取られた。不法滞在を追認せざるを得ない状況にあって、闇労働の駆逐と移民の法的地位改善を目的としたものだが、さらなる移民の流入を警戒する要因ともなった。

出典:内閣府経済社会総合研究所