現物社会移転

Social Transfers in Kind

現物社会移転は、一般政府または対家計民間非営利団体の個々の家計に対する現物の形での財貨・サービスの支給を指す(個別的分野における移転支出)。現物社会移転は、一般政府または対家計民間非営利団体が、当該財貨・サービスを市場で購入したものであるか、非市場産出として生産したものかに分かれる。
このうち、「現物社会移転(市場産出の購入)」は、一般政府が、家計に現物の形で支給することを目的に、市場生産者から購入する財貨・サービスを指す。具体的には、我が国の場合、(1)社会保障制度の医療保険や介護保険における医療費、介護費のうち保険給付分(社会保障基金が家計に対して払い戻しを行う分も含まれる)や(2)公費負担医療給付のほか、(3)義務教育に係る政府による教科書の購入費、戦傷病者無賃乗車船の負担金が含まれる。
一方、「現物社会移転(非市場産出)」は、一般政府や対家計民間非営利団体といった非市場生産者が、個々の家計に対して供給する財貨・サービスのうち、経済的に意味のない価格に基づく財貨・サービスの販売による収入分を除いた部分を指す。換言すると、(社会一般が便益を享受する集合的なものではなく)対家計の個別的な非市場性の財貨・サービスの産出額(生産費用の積上げで計測)のうち、自己勘定の総固定資本形成に向けられたもの以外で、かつ利用者家計からの料金や負担の支払を控除した残差を表すものである。本項目に含まれる具体例としては、一般政府の支払については、公立保育所や国公立学校、国立の美術館等の産出額のうち利用者からの料金負担等で賄われない部分が、また対家計民間非営利団体の支払については、私立保育所や私立学校等の全ての対家計民間非営利サービスの産出額のうち利用者からの料金負担等で賄われない部分がある。

出典:内閣府